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艤装その2 完成 [天城 1/700]

巡洋戦艦『天城』の完成です。
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日露戦争後、仮想敵国をアメリカに設定した日本海軍は来るべき決戦に備え戦力の充実を図ります。1919(大正8)年に成立した八八艦隊計画はその根幹をなし、終了年度の1928(大正17)年春までに戦艦8隻、巡洋戦艦8隻、空母3隻、巡洋艦26隻、駆逐艦88隻、さらに航空隊17部隊を完成させるという巨大なものです。
同様にアメリカも海軍軍拡へ大きく舵を取りますが、これらの計画は国家予算の大半を費やし、さらに列強の建艦競争が新たな戦争の火種となることが懸念され、1922(大正11)年に成立したワシントン海軍軍縮条約により中止されることとなりました。当時完成していた戦艦『長門』級2隻、米『コロラド』級3隻、英『ネルソン』級2隻を最後に主力艦の建造は禁止され、以後15年にわたる「海軍休日」と呼ばれる日々が始まったのです。

『天城』級巡洋戦艦は戦艦『長門』級、『加賀』級に続く八八艦隊の第3陣として計画されました。
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【要目】
全長: 252m
常備排水量: 41,200t
最大速力: 30.0kt
兵装:
 41cm主砲 x 10
 14cm副砲 x 16
 8cm高角砲 x 4
当時の戦艦として最高の攻撃力と30ktに達する高速力を有し、さらに『長門』級と同程度以上の防御力を備えた本級は、それまでの(攻撃力と速力のために防御力を犠牲にする)巡洋戦艦という概念から進歩した高速戦艦と呼ぶべき存在でした。

本級は4隻が起工されましたが、ワシントン海軍軍縮条約により巡洋戦艦としての建造が中止されて『天城』『赤城』が航空母艦に改造、『愛宕』『高雄』は廃棄と決まりました。
しかし横須賀工廠にて改造中だった『天城』は1923(大正12)年に発生した関東大震災で被災し、竜骨が破断するなどの大損害を受けます。空母への改造は断念され、代わりに戦艦『加賀』が空母として完成することとなりました。

フジミから昨年3月に発売されたキットを、同じくフジミの純正エッチングパーツでディテールアップしました。
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1920年代独特の、多くの支柱を束ねた前艦橋です。クリアパーツの探照灯は、レンズ面をマスキング→全面をシルバーで塗装→透け防止のブラック→軍艦色という順番で塗りました。輝き具合がなかなか気に入っていますが写真じゃよく分からん!

中央部。
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煙突側面のジャッキステーがいい味出してます。艦載艇の木甲板にウォッシングするのをすっかり忘れていたせいで、上甲板とは全く違う色になってしまいました…塗り直す気力はなくそのまま。どこかの記事で読んだ、「艦載艇を後回しにすると作りが雑になる説」は本当でした。

後檣。
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大ぶりなクロスツリーが目立ちます。張線は0.6号(0.128mm)のナイロン釣り糸です。衣服用ハンガーにピンと張った状態で熱湯をかけ、巻き癖を取ってからジャーマングレーで塗装し使用しています。

後檣には時計のような「指示盤」が装備されています。
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これは射撃目標への距離と方向を全艦に指示するためのもの。エッチングパーツをホワイトで塗装した後、グレーでドライブラシして文字盤を浮かび上がらせました。

後部主砲群。
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第4砲塔が一段高く設置されているおかげで射界が広く取られています。

第4砲塔上の滑走台には艦上偵察機が配置されています。
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おそらく一〇式艦上偵察機と思われる機体です。翼間支柱と張線はプラパーツでも準備されていましたが、さすがに太く感じたので0.2mm真鍮線とナイロン釣り糸で再現。

艦首から。
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帝国海軍の象徴たる菊花御紋章は、Mr.カラーの「スーパーシルバー」の上に「クリアーオレンジ」を吹いて黄金色を表現しました。艦首・艦尾の旗竿はキットパーツが主砲身に匹敵する太さ(!)だったので0.3mm真鍮線に置き換えています。

お気に入りの艦尾からのアングル。
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軍艦旗はキット付属のデカールをカラーコピーしたものを使用しました。薄さと発色の鮮やかさではデカールが一番なんですが、耐久性が…。
少しでも薄くしようと、油とり紙や和紙などの素材にコピーしてみましたがイマイチ。これから研究が必要な分野です。

祝杯!
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靖国神社の御神酒をいただきます。
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