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『永遠の0』 [戦争映画]

『永遠の0』
2013年公開 山崎貴監督
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特攻隊に志願し戦死した祖父・宮部久蔵の人物像を探り始めた主人公。かつての戦友たちは口を揃えて「海軍一の臆病者」と評価する。命を惜しみ、生還することにこだわり続けた久蔵はなぜ特攻隊に参加したのか。やがて驚愕の真実が明らかになる。


原作含め前評判の異常な盛り上がりで少し損をしている映画です。


「感動で涙が止まらん」というレビューや口コミに触れてしまうと、自分の中の感動スイッチが重くなります。いざヤマ場を迎えても、「ほら泣け泣け、それが貴様の仕事だ」と言われているようでむしろ冷めてしまいます。
っていうかこのねじくれた性格はどうにかしないと損だな。

さておき、気になった点
軍国主義一辺倒の戦時中に「いのちだいじに」ポリシーを貫いた宮部久蔵。彼の行動が引き起こしたエピソードやその影響については詳しく描かれているのですが、そのポリシーが一体どのように醸成されたかについては全く描かれていない点が物足りなく感じました。
枝葉の部分に登場する映画ならではのご都合主義には目をつぶるべきだと思います。ストーリーの全てに納得がいく形で説明を付けていったら何時間あっても映画が終わりません。しかし、物語の根幹に関わる久蔵の内面に光が当たらないままでは何だかモヤモヤしたままなのです。
特異なキャラクターを描くならそれ相応の肉付けがないと説得力に欠けます。
一介の下士官に過ぎない宮部久蔵がポリシーを貫けたのはなぜか? 「妻子想いだったから」なんてのは答えになりません。彼を圧迫し続けた上官にも部下にも家族はいたはずです。それなのになぜ久蔵だけが?
感動スイッチが上手に入らなかった理由はこれかもしれません(自分の性格の問題だけではなかった。良かった!)。


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★★★★☆
模型モチベ刺激指数は 4点(5点満点)

脚本には不満タラタラですが、細部の考証およびCG-VFXは素晴らしいの一言。
撮影にあたっては零戦の実物大模型を製作(撮影終了後は大分県宇佐市が買取り、博物館での展示に向け準備中)、CGデータは田宮模型の全面協力。さらに唯一現存する実機エンジンから排気音が収録されたということで、特に映画館で聴くと迫力があって非常にいい。
タミヤは早速1/72と148でタイアップしたキットを発売しています。宮部久蔵はもちろん、ストーリーで重要な役割を果たす2名の乗機のマーキングも用意されているとか。
CGの空母『赤城』も見どころ満載です。艦首付近のリアルな錆や、中央付近ほど(艦載機のタイヤがあたって)汚れている飛行甲板など、模型製作に活かせそうなアイデアをもらえました。なお艦橋のみ実物大セットを製作したとか。なるほど


こんなモデラーさんにオススメ
・零戦21型
・零戦52型
・空母『赤城』
・空母『タイコンデロガ』


全然関係ないですけど、ポスター画像の青がとてもきれい。S800はこんな色に仕上げたい…
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