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『原爆下のアメリカ』 [戦争映画]

模型作りのモチベ刺激に戦争映画をば。

『原爆下のアメリカ』(原題:INVASION, U.S.A.)
1952年公開 A.E.グリーン監督
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世界で初めて核戦争を描いた異色作!
とのたまうパッケージにつられて観賞。

邦題から「冷戦燃ゆ…」というシリアスな展開を期待していましたが、どうもこれは原題の「合衆国侵攻さる!」の方が似合うドンパチ映画。
1952年といえばサンフランシスコ講和条約が締結されたばかりの頃なので、冷戦の深刻さが足りないのは仕方ないのかもしれません。10年後の核攻撃は合衆国のピンチどころではなく、人類全体の危機になってしまうわけですが…。まあそんなことになるとはつゆ知らず、という映画。


~あらすじ~
アカの豚野郎どもがアラスカへやってきた! 空軍基地に惜しげもなく原爆を投下!
シアトルが空爆されたって? シスコが占領されてそれどこじゃないよ!
ダムは原爆で決壊だ! ダラスもセントルイスも原爆で壊滅だ!
いよいよニューヨークにもクソッタレ爆撃機が飛来! 摩天楼は一瞬で消滅だ!
落下傘部隊がワシントンに降下、議会もホワイトハウスも蛮族の手に!

…という忙しい73分。

たぶん、映画としての評価はかなり低いでしょう。
敵の某共産主義国がやたらと原爆を使いまくることや、素人目にもわかる演技のアレさ、特撮と呼んでいいのか悩むほどの微妙な特撮など、ツッコミどころは尽きません。映画の結論が「惜しまず国税を納めて米軍を増強しよう! 醜いアカの豚野郎を原爆で抹殺しよう! 戦時には積極的に献血しよう! 女性だって勤労奉仕! 男は当然皆兵制だ!」なので、もはやこれはプロパガンダ以外のなにものでもない。


しかしミリヲタさんにとってはなかなかの映画です。
太平洋戦争や朝鮮戦争で撮影されたと思われる記録映像がふんだんに(長さにして全編の半分程度は)収録されているからです。F-84GとMIG-15のドッグファイトや、炎上する空母、操車場に急接近する爆撃機の映像は迫力満点。航空隊出撃準備のシーンもなかなかしびれます。画質が悪くても、モノクロでも、本物の威力はすごい。
編集がムチャクチャなのは少し残念です。空母に迫る敵機がレシプロ機なのは仕方ないとして、米本土に原爆抱えて飛んでくる敵機役がB-29って! 原爆を使用した唯一の国としての何かのメッセージかとも最初は思いましたが、別にそんなこと考えてなさそうです。
また、セットシーンが中心の陸上戦は泣きたくなるほどの出来…


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★★★★☆
模型モチベ刺激指数は 4点(5点満点)
ストーリーがポンコツなぶん記録映像に集中できます。

特にこんな模型を作っているモデラーさんにおすすめです。
・MIG-15など戦後間もなくのジェット戦闘機
・エセックス級空母
・B-29、B-36などの戦略爆撃機
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