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『トラ・トラ・トラ!』 [戦争映画]

『トラ・トラ・トラ!』
1970年公開 リチャード・フライシャー、舛田利雄、深作欣二監督
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日米スタッフが共同して真珠湾攻撃を描いた大作です。
山本五十六中将が連合艦隊司令長官に就任するシーンから始まり、日米双方の戦争準備が克明に描かれます。特に、アメリカ側にもハワイへの奇襲を予測し警戒していた人物がいたことを示しているのが特徴的です。開戦に至るまでの外交上のやりとりを詳細に描き、真珠湾攻撃を単なる「卑怯な奇襲」としていないところは40年前の作品ながら公正と言えましょう。日本軍の襲来を警告していながら、黒煙に包まれる真珠湾を呆然と見つめる太平洋艦隊司令長官キンメルの姿には心打たれます。

軍用機の多くは実機が使用され、艦船の実物大セットも見ごたえ十分です(後述)。

黎明の発艦、峡谷から真珠湾を目指す編隊、被弾し格納庫に突入する機体など、戦時中の日本映画『ハワイ・マレー沖海戦』に影響されたと思われるシーンもあります。こちらも合わせて見ると面白いかと。


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★★★★★
模型モチベ刺激指数は 5点(5点満点)

この映画の見どころはなんといっても実機による空中戦。
とはいえ飛行可能な九九艦爆や九七艦攻は現存しないので、米国製の練習機を改造して日本軍機に似せた機体を使用しています。間違い探しをしてみるのもいいかもしれません(零戦の主翼前辺がわずかに後退している、九九艦爆の主翼が楕円形でない、尾翼の後端が丸い…など)。

荒れる冬の北太平洋を進む機動艦隊も、なかなかの迫力です。スケール感を考慮してか、ほとんどのシーンで艦首方向から見ることになりますが、波を蹴立てて進む空母は最高に勇ましいです。「大型艦+荒れた海面」というジオラマのきっかけになるかも。

旗艦赤城からの夜明けの発艦はエセックス級『レキシントン』でのロケ。上空から艦を見下ろすシーンがあり、右舷側の大型艦橋や左舷に張り出したアングルドデッキなど「どー見ても『赤城』じゃない!」ポイントが丸見えです。このシーンだけは蛇足だったか。

連合艦隊司令部の置かれた戦艦『長門』も実物大セットによる再現です。福岡県芦屋町に『赤城』セットとともに建設され、後の『男たちの大和』セットと同様に観光客でにぎわったとか。

とにかく、模型モチベをぐいぐいと刺激してくれる恐ろしい映画です。

こんなモデラーさんにオススメ
・南雲機動艦隊、特に『赤城』
・連合艦隊旗艦『長門』
・やられメカとしての戦艦『ペンシルヴァニア』
・凶暴な九七艦攻
・地味だけど頑張った潜航艇『甲標的』

マニアックなところでは、日本風甲板塗装を施した空母『レキシントン』を作ってみるというのも面白いかも。ほとんど悪ふざけの域ですが。


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真珠湾攻撃70周年ということで、「モデルアート」「艦船模型スペシャル」「NAVY YARD」各誌競うように特集を組んでいます。さすがにいっぺんに揃えられないのでどれから買おうか思案中…
さらに来月23日には映画『連合艦隊司令長官 山本五十六』が公開されます。
雑誌の記事で見る限りは史実を克明に描いた映画のよう。今年のクリスマスはこれだけが楽しみです
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