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クニャージ・スヴォーロフ 1/350 ブログトップ

銘板修正 [クニャージ・スヴォーロフ 1/350]

年の瀬です。2012年もあと25時間あまり。
今さらですが年賀状を作るために、普段使わないプリンタを起動。
「到着しなくてもいい。12/31までに投函すれば義理を果たしたことになる!」とは父の教えです。

ずっと先送りにしてきたあの作業を終わらせるチャンス!
露助にツッコまれた銘板を今年のうちに直しておきましょう。

原画はIllustlatorで作成。
plate_retouch.jpg
一番上が旧版で、真中が修正版です。足りなかった1文字「У ゥー」を入力したら、アウトライン化して左右を反転(一番下)。この後でOHPシートに裏面から印刷するための処置です。
なお、上段には「艦隊型(?)戦艦」、下段には「第2太平洋艦隊(バルチック艦隊)旗艦」と書いてある。これらはパッケージからのコピペ。

OHPシートに印刷する前に、普通紙で出力。
必要なサイズ(ピッタリよりも四方1センチずつくらい大きめ)に切出したシートを、普通紙の上にマスキングテープで固定します。セコいようですが、シートを無駄にしないための工夫。これ1枚作るのにA4のシートを使ってたら、お金がいくらあっても足りない!
DSCN4240.JPG
手差しでプリンタに入れて、いよいよ本番です。
DSCN4244.JPG
数ミリずれていますが許容範囲内。

私の使っているインクジェットプリンタ(Canon MP600)には「OHPシート用」の印刷用紙設定がありません。いろいろと試してみました。
DSCN4245.JPG
上から、「高品位専用紙」「写真用光沢紙」「インクジェット用はがき」で印刷したもの。黒色の濃さがだいぶ違います。最もくっきりできた一番上を採用。

銘板取替えの作業に入ります。
DSCN4246.JPG
上から、2.0mm厚の透明プラ板、今回印刷したシート、0.2mm厚の真鍮板。真鍮板は100均で買った素材の表面にサンドペーパーでヘアライン状の傷を付けたもの。錆防止でメタルプライマーの上にラッカークリアーを吹いています。

銘板が収まるのはこちら
DSCN4247.JPG
接着していたわけではなく、バチピタの寸法ではめ込んでいました。中央に小さな穴を開けておくと、裏側から押してやれば簡単に取り外せるので今回のような作業時には便利です。

順番にはめ込むだけで完成
DSCN4249.JPG
これで安心して年が越せる!




と思ったものの、艦尾で由々しき事態が。
DSCN4251.JPG
ロシア帝国海軍の軍艦旗(聖アンドレイ十字)がシナシナのクルクルになっているではないか!
こちらの修正はまた来年ということで…

恥じらいは日本海を超えて [クニャージ・スヴォーロフ 1/350]

先週土曜あたりから弊ブログのアクセスが急増。連日、以前の3~4倍の閲覧数を叩きだしています。
一体どういうこっちゃとアクセス解析してみると、こんなページからのリンクが
http://u-96.livejournal.com/2839660.html

おお!
我が工廠の主力、スヴォーロフ号の威光は遥かロシアまで届いていたのだな…!
とニヤニヤしたのもつかの間

画像リンクとともにロシア語のコメントが。
DSCN3153.JPG
「こいつは中国人か?」
「いや、むしろ日本人らしい」
「この碑文は手遅れだ…」
えっ?
「挑戦の残念な結果」
えっ!?

親切にもコメントを下さった人がいて、銘板のスペルミスが発覚。
【誤】СВОРОВ ⇒ 【正】СУВОРОВ


「日本海軍戦艦 大和」を
「日木海軍戦艦 犬和」と書いてしまう感じでしょうか…これは恥ずかしい!

戦艦スヴォーロフ 詳細 [クニャージ・スヴォーロフ 1/350]

ロシア帝国海軍 第2太平洋艦隊(バルチック艦隊)旗艦
クニャージ・スヴォーロフ
DSCN3169.JPG

2年半かけてやっと完成したスヴォーロフ
今回は工作の詳細なポイントについてご紹介します。


DSCN3160.JPG
船体塗装はMr.カラーの「ミッドナイトブルー」。金属感を狙って下地にはシルバーを塗りましたが効果は…? 写真では分かりづらいですが、下部の「艦底色」がよく仕上がった気がします。
タミヤエナメルのフラットブラックでスミ入れした上、調合した「焦げ茶」でところどころに錆びを乗せました。
舷側にずらりと並ぶ75㎜砲はすべて真鍮パイプで置き換えています。日本海海戦ではこの砲門からの浸水が致命傷になったとか。


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艦橋壁面は0.5㎜厚のプラ板でフルスクラッチ。内部は白色で塗装しています。また階段も0.3㎜厚プラ板と0.2㎜プラペーパーで自作しました。「向こう側が透けて見える」ときの満足感は格別ですね。
救命浮標(浮き輪)はアクセサリー屋さんで買ったリングの隙間をパテで埋めて再現。簡単に真円が作れるので、1/350スケールではオススメです。


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艦載艇。内部のモールドはルーターでくり抜き、0.3㎜厚プラ板で腰掛板を再現しました。木製部分の塗装はバフ(デザートイエロー+ホワイト)に濃い目のブラウンでスミ入れ、さらに薄いバフを作ってドライブラシをしています。
煙突内部を見られる資料写真がなかったので(飛行機も飛行船もない時代なんですね…)全く分からないのですが、何もないのは寂しいのでプラ板で整流板を追加。


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艦載艇その2。魚雷艇と思われます。上部構造はフルスクラッチですが資料があまりにも少ないためキットを元に想像で補っています。もう少しディティール(舷窓なりハッチなり)がほしかったところ。


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ロシア海軍名物、真っ黄色の煙突です。資料写真を見ると、さらに太く長い立派な煙突だったようです。プラパイプで作り替えるべきだったか…とも思いましたが、気付いたのが建造末期だったため改造断念。


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張り線地獄が見えるショット。
マストはプラ部品では強度に不安があるのと、形状もいいかげんなのでプラパイプと真鍮線で代替。ルーターに真鍮線を装着し、ヤスリがけすることでテーパーをつけています。
空中線は0.6号の釣り糸をジャーマングレーで塗装して使用。若干巻き癖があるので、伸ばした状態で熱湯をかけまっすぐにしています。「強度重視」と「スピード重視」2種類の瞬間接着剤を使い分けると(比較的)ストレス少なく作業が進みます。


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甲板上のラッタルもプラ板で自作。副砲の砲身も真鍮パイプで代替しました。
通風筒はルーターで内部をくり抜きレッドで塗装。いいアクセントになります。


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スターンウォーク。高級士官のお散歩用の空間だったそうです。手摺は0.3㎜径のプラ棒とエッチングメッシュで再現。
主砲身も真鍮パイプで再現しました。思えば火砲はすべてスクラッチ。手間はかかりますが、「真っすぐである」ということはかなり価値のあることです。
スクリューはキットのものが3枚羽根だったので(ボロジノ級でも枚数に違いがあるようです)、羽根のみプラ板で自作。


DSCN3153.JPG
最後に、台座と銘板。
台座は東急ハンズで買ったものにニスを塗り、コンパウンドでひたすら磨きました。
銘板は100円ショップの真鍮板+銘文を印刷したOHPペーパー+2.0㎜厚の透明プラ板の3層構造です。OHPペーパーには鏡像反転して裏側から印刷するときれいに仕上がります。
左側にあるのはロシア皇室の紋章、双頭の鷲です。


とにかく、やっと完成したな…というのが正直な感想です。「なるべく市販のディティールアップパーツを使わない」という縛りを作ったせいでかなり苦労しましたが、考証・工作・塗装あらゆる面で勉強になりました。
いつか三笠も作って並べたいですね、ぜひ!

いきなりですが完成 [クニャージ・スヴォーロフ 1/350]

密かに建造が進んでいたロシア帝国海軍戦艦『クニャージ・スヴォーロフ』
2年半の歳月を越えて、ついに完成です。
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クニャージ・スヴォーロフはボロジノ級戦艦の3番艦として1904年9月に完成、すぐに第2太平洋艦隊(いわゆる『バルチック艦隊』)の旗艦として出港し、遥か極東を目指します。バルチック艦隊は日本の同盟国であった英国からの数々の妨害にあいながらも半年間2万キロに及ぶ大航海を成し遂げてウラジオストクまであとわずかに迫った対馬沖で、東郷平八郎率いる日本海軍連合艦隊の迎撃を受けます…
こうして1905年5月27日の昼過ぎに、日本海海戦が発生します。
士気・練度にまさる連合艦隊は海戦の序盤から猛射を浴びせ、バルチック艦隊の先頭を航行していたスヴォーロフは多数の命中弾を受けて火災が発生、戦闘力を失います。またスヴォーロフに座乗していた艦隊司令長官のロジェストヴェンスキー中将は重傷を負い、駆逐艦ブイヌイに旗艦を移しています。
クニャージ・スヴォーロフは戦列から落伍した後も魚雷攻撃を受け、19時ごろに横転沈没。新鋭艦の実力を全く発揮できないままに、日本海へと沈みました。

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自分の設定したテーマは2つ。
【ハセガワ製『三笠』に匹敵するクオリティを目指す】
このスヴォーロフ、キットはロシアの模型メーカー『ズヴェズダ』製です。本来ならこのようなマイナー艦が発売されていることに感謝すべきなのですが、モールドのダルさ、パーツの合いの悪さといったら…
いつかハセガワ製1/350三笠と並べたときに、明らかに見劣りするようではロシア男児の名がすたる、というものです。ディティールアップに妥協しない。
【エッチングパーツは極力使わない】
既成パーツに頼ることなく、自分の工作でいけるとこまでいってやろうじゃん、という意気込みです。今思えば極めて無謀でした。ほんのちょっと後悔。

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艦首

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中央部

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艦尾

とりあえず、ロシア産ビール『バルティカ』で乾杯。ウラー!
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バルチック艦隊の水兵たちも、初めての熱帯でこのビールを飲み喉を潤したのだろうか
…と思ったら、1990年設立の新しいビールブランドでしたとさ。味はごく普通

各部の詳細は別記事にてお知らせしたいと思います。
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