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浜風 1/700 ブログトップ

張り線 完成 [浜風 1/700]

釣糸で空中線を張り、完成です。
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陽炎型(甲型)駆逐艦13番艦、『浜風』
戦争のほぼ全期間を生き抜き、数々の海戦に参加した歴戦艦です。竣工時の姿で製作しました。
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海軍軍縮条約の明けた1937年、第三次軍備補充計画(マル3計画)が決定されました。大和型戦艦や翔鶴型空母を中心とするこの計画には陽炎型駆逐艦18隻も含まれました。『浜風』は仮称第29号艦として1939年11月に起工、1941年6月30日に竣工しました。
『浦風』『磯風』『谷風』との4隻で第17駆逐隊を編成し、開戦劈頭の真珠湾攻撃作戦に参加。以後、ラバウル攻略、ダーウィン空襲、ジャワ島攻略、インド洋作戦、ミッドウェイ作戦、など各地を転戦し空母機動部隊の護衛任務にあたりました。
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1943年にはガダルカナル島撤退作戦に従事、ソロモン諸島で輸送隊を護衛中に米駆逐艦と交戦し(第1次ベララベラ海戦)被弾、呉に帰投して修理を受けます。
1944年に入ってからも『浜風』は忙しく働きます。
6月にはマリアナ沖海戦に参加、10月のレイテ沖海戦では栗田艦隊に所属し、沈没した戦艦『武蔵』の乗組員を救助。11月には横須賀から呉へ回航する空母『信濃』を護衛しますが米潜水艦『アーチャーフィッシュ』の雷撃により『信濃』はあえなく沈没。
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1945年の日本海軍は艦艇や航空機の喪失と燃料の欠乏から、もはや大規模な作戦行動がとれない状況に陥ります。事実上最後の作戦といえる「天一号作戦(沖縄特攻作戦)」が発動されると、『浜風』は『大和』を護衛し4月7日の坊ノ岬沖海戦に参加。第1次空襲の最中に爆弾1発と魚雷1本が命中し、艦は前後に分断されて12時58分に轟沈しました。

前艦橋とメインマスト。
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艦橋横のカッターはかなり置場がタイトで、製作終盤になって調整しながらの取付けになりました。そしてせっかくエッチングで再現したドアが全く見えなくなってしまった! 

中央部。
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小型艦ですので、空中線はやや控え目に。第2煙突と後檣に絡む特徴的な配線が少したるんでしまった。

艦尾。
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パラベーンの取付架はエッチングラッタルで再現しました。


巡洋戦艦『天城』との時代を超えたツーショット。
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改めて戦艦の巨大さを実感します。2倍以上の全長はもちろんですが、そびえ立つ前艦橋の迫力。


『浜風』竣工のためにとっておいたオシャレ地酒「御前酒9」で乾杯。
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檜のような香りがしますが、これは天然の乳酸菌だとか。久しぶりの日本酒なのでうまい!

マスト組立て 各種艤装 [浜風 1/700]

前檣は0.5mmと0.3mmの真鍮線を遣い、キットパーツからの現物採寸で組み立てます。張り線のために強度が欲しいので、面倒ですがハンダ付けで固定。
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ボードにマスキングテープで固定し、接合部にハンダを流し込むと簡単です。はみ出したハンダはナイフとヤスリで削り取ってリカバリー。

組み上げた前檣。
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横方向の支柱は0.2mm真鍮線、斜めの筋交いは導線をばらしたもので再現します。前檣上部の見張所はキットパーツより移植し、中段のフラットにはプラ材で2キロ信号灯を追加。

後部。
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主砲と魚雷発射管、爆雷投射機・装填台、パラベーン、ホーサーリールはいずれもピットロード社の装備品セットから。第1・第2主砲塔の上部には0.2mm真鍮線で空中線支柱を再現しています。
魚雷運搬軌条のモールドは鉛筆で軽くさらい、魚雷搭載用(?)のデリックも追加。
真鍮線で置換えた後檣には、エッチングパーツセットにあった艦尾信号灯を取付けました。

いよいよそれらしい姿になってきました。
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次回、細部の修正と張り線で完成です。

船体再塗装 [浜風 1/700]

改めて甲板をマスキング、改めてよーく攪拌した軍艦色(舞鶴工廠)を吹きます。
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そうそう、日本海軍の駆逐艦はこの色じゃなきゃ!
艦底の暗赤色も塗り直しています。

横須賀出身の『天城』と比較
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だいぶ違う色ですね。『浜風』はこの後軽くスミ入れをするつもりなので、もう少し暗くなります。

船体塗装…失敗! [浜風 1/700]

前檣を組むと基部が塗りづらくなりますので、まずは船体色で一度塗ってしまうことにしました。
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外舷にライオンロア社のエッチング手摺をとりつけます。細切れにしたマスキングテープで数ヶ所ずつ仮止めしてから、接合部に瞬間接着剤を流し込み固定します。
手摺取付が終わったらリノリウム張りの甲板をマスキング。面積が小さいので『天城』のときほどの苦労ではありませんでした。

そして塗装です。設定を竣工時の姿としているので、Mr.カラー艦船色セットに入っていた舞鶴海軍工廠の標準色を塗れば間違いないでしょう。
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おや

暗い


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これは暗い、暗すぎる!
帝政ロシア海軍か!


イージーミスでした…
原因は、買ってからかなり経っていた塗料の攪拌が不十分だったこと。割箸でゴリゴリとかき回したら明るい顔料が瓶の底から出てきました…皆さん、古い塗料には気を付けましょう。

調べてみると、舞鶴は海軍4工廠の中でも最も明るい色だったようです。リサーチ不足でもある。
ちなみに工廠と民間造船会社の軍艦色を明るいものから並べてみるとこんな順です。
【明】 ← 舞鶴 ← 呉(川崎重工神戸) ← 横須賀(浦賀船渠) ← 佐世保(三菱重工長崎) ← 【暗】

最大のミスは、逸ってマスキングをはがしてしまったことですね。またやり直し…


これはシャドウ吹きですが何か? と開き直って塗り直すしかなさそうです。
しかし厚化粧になってしまうなぁ。

艦上構造物の工作 [浜風 1/700]

前艦橋
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側面のモールドは全て削り取り、導線をばらしたジャッキステーとエッチングのドアを取付けます。パーツセット(ファインモールド社)の窓枠はクネクネ曲げているうちに折れてしまったので、ライオンロア社の「梯子」から流用。
天蓋上の方位盤と測距儀はピットロード社の兵装セットから。エッチング手摺をドリル刃に巻付けて手旗信号台を再現しています。

第1煙突付近
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煙突のジャッキステーは同じく導線です。
煙突頂部の雨水覆格子はエッチングパーツに要され精密な仕上がりですが、中央の整流板が若干大きすぎるかも。

第2煙突付近
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機銃台と探照灯台の手摺はライオンロア社の汎用パーツ。ステンレス製ですが板厚が薄いのか、かなり軟らかく曲線部分にも使いやすいです。
ボートダビットは三脚で支持するタイプ。魚雷運搬軌条に干渉しないよう注意しながら取付けます。

兵装
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主砲と魚雷発射管の側面にジャッキステー、窓、出入扉を追加します。窓はプラペーパーをポンチで打ち抜いたもの。ちなみに主砲上面に貼付けた導線はジャッキステーではなく手摺…のつもり。

次回は前後のマストを真鍮線で再現します。

船体ディテール [浜風 1/700]

船体に追加工作。

甲鈑の継ぎ目を表現します。
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2mm幅に切ったマスキングテープを並べて平行に貼り、段違いに剥がしてからサーフェイサーを吹きます。段差を作りたいので、やや厚塗り。モールドが潰れてしまわないよう、甲板上面はマスキングします。

剥がすとこのように
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キットには舷窓のモールドが全くありません。今回は開戦時の姿なので、0.5mmピンバイスで開け直します。
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キット箱絵を参照しながら開口します。真っすぐに並ばないとカッコ悪いので、マスキングテープをガイドに使いました。

舷外消磁電路をライオンロア社のエッチングパーツで再現します。真鍮製の軟らかいパーツで加工しやすいです。
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鋼鉄でできた艦船は磁気を帯びており、洋上を航行すると周辺の地磁気にわずかながら影響します。この地磁気の乱れに反応して起爆するのが磁気機雷です。磁気機雷による被害を防ぐため、太平洋戦争直前に日本海軍は「舷外消磁電路」を多くの艦艇に装備しました。船体の外周全体にコイルを巻き電流を流すことで、磁気を打ち消そうとしたのです。
1940(昭和15)年11月の出師準備令以降にほぼ全ての艦に取付けられています。ただし戦争末期に新造された軽巡『大淀』や駆逐艦『松』型、航空戦艦に改造された『伊勢』型の写真には舷外電路がありません。これは艦内に装備されたためとも、効果に疑問が持たれ装備されなかったためとも言われています。
戦時のみに装備された舷外電路はその詳細を知るための資料が少なく、各艦の取付け位置もはっきりとは分かっていませんが、舷窓やスクリューガードなどの設備を迂回して取付けられたようです。


続いて艦上構造物と兵装の工作に移ります。

浜風起工 船体加工 [浜風 1/700]

駆逐艦『浜風』の建造を開始しました。
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大鑑巨砲主義に飽食気味なので、小型艦をサクサクッと作ってみます。アオシマのリニューアルキットにファインモールドのエッチングパーツを合わせて、開戦時の姿を再現します。

船体の修正から。
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艦底板との隙間と、艦首付近のヒケを溶きパテで埋めます。

探照灯とループアンテナが乗る台も隙間ができるので充填。
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魚雷の次発装填装置はファインモールドのエッチングを使用しますが、これはアオシマではなくピットロードのキットを想定して設計されており、干渉する部分があります。
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どうやっても次発装填装置が大きい…。後ろにずらせばピットロード兵装セットから持ってきた魚雷発射管(これも少し大ぶり)にあたり、前にずらせば甲板上の魚雷運搬軌条に乗ってしまいます。
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仕方ないので、船体パーツを現物合わせで削り、ギリギリでぶつからずにうまく収まるポジションを探します。船首楼甲板から上甲板へ下りるラッタルのモールドも、エッチングパーツに換装するために削ってしまいます。

船体の大まかな修正は終わり。
ディテールアップに続く
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